園ガイド

始めに

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当園は、大正5年「会津保育園」として開園。
その後、昭和24年に 名称変更し 「行仁幼稚園」として認可を受け、昭和41年に分園として東行仁幼稚園を千石町8-16に設立開園。
昭和43年に特文部省令による正規の幼稚園となりました。
昭和51年に行仁幼稚園を 学校法人白梅 白梅幼稚園として会津若松市一箕町大字 鶴賀字下柳原1581-1 へ移転しました。

昭和58年に東行仁幼稚園を学校法人白梅として認可を受けました。

平成3年に東行仁幼稚園を改築し現在の園舎となりました。
平成15年に白梅幼稚園を新築移転し現在の新園舎 会津若松市一箕町大字亀賀字北柳原42-1へ 移転しました。

開園以来仏教園(浄土真宗)として90年以上の伝統を守り続けています。

充実した幼児期である為には

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『子と親と教師』のいわば三位一体の協力関係が大切です。特に幼児期は親子や教師と依存の関係にある子どもたちです。 この依存の関係を大切にしながらの子育て、これが幼児期の教育です。
したがって三者の十分な連携が望まれる幼児教育・家庭教育です。 園では、次の点に留意しながら園生活を深めていきたいと考えております。

①本園の理想としする子ども像(健学の精神)3つの約束に表現されています。

一.ほとけのこは、なかよくやさしくれいぎただしくいたします。
一.ほとけのこは、かならずやくそくをまもりよろこびをわけあいます。
一.ほとけのこは、にこにこしごとをしやさしいこころをわすれません。
<健全な精神、やさしい心、やる気のある子>

②その為に教師は・・・(指導にあたってのお願い)

一人一人の特質と個性をのばすべく、一人一人をじっくりと見つめます。
自分から進んであそび、仕事をし、自分の考えをもって生活できる子に育てたい。

②その為の保育方法は

幼児の自発性を促します。
自発的な活動を活発にさせることは、社会人として必要な自立の基礎を育成することにつながります。
幼児が興味や関心を示せる機会を多くもつように努めます。
興味は子どもの生活を豊かにする原動力です。
幼児に多くの事を経験させます。
子どもの経験をより豊富に、多様にしてあげることがより確かな思考の土台をつくります。
よりよい環境を整えます。
幼児の発達(育ちの姿)を理解し、一人一人の育ちを大切にうけとめます。

幼稚園教育の意義

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1.幼稚園ってどんなとこ

子どもたちにふさわしい生活を考えて、花や緑に囲まれた「こどもの園」としてドイツで初めて創設されました。 人間として成長していくうえで一番大切な幼児期に、その基礎としての感性と知性を培い
育んでいこうとするのが 幼稚園です。

いわゆる「読み、書き、計算」等を学ぶ前に、学ぶべき事、育ててあげるべき事を、こどもに ふさわしい園具、教具環境の中で、 同年齢の友だちと互いに影響しあいながら、また先生からヒントや、ちょっとした助けをもらいながら、学んで行くところです。

基本的な生活習慣が身に付き、言語の発達と共に他人との相互理解ができ、社会性が芽生える3歳、4歳から幼稚園の教育は始まり、 小学校・中学校・高等学校・大学などと同じく、学校教育法にもとづく学校で、文部科学省が所管しています。

そのために幼稚園教育要領に従いそれぞれの幼稚園独自の教育課程を実践する一環した教育の場でありまた一人一人の成長の記録も 要録としてまとめ小学校との連携を計っております。

2.幼稚園の教育計画について

『期の計画』『月の計画』『週日の計画』があり、一年間の見通しをそれぞれ子どもの様子や見通しを 持ちまた季節感を考慮しながら 細かく年長、年中、年少に分け計画をたてます。
先生は、一人一人が伸び伸び育つように個人の記録も丹念に追っています。以下の詳細をお読み下さい。 『期の計画』とは?
入園から終了までを通して幼児の生活する姿がどのように変容していくのか、その発達の筋道を期で示し、 発達の過程を表したものです。

幼稚園の教育は、発達の過程についての見通しをもつことが必要です。各年令にふさわしい内容を日々の園生活で楽しんでいます。
【期】を1年を通して数期に分けてこの時期には、こんな育ち方をしてほしい・・・との願いを持っています。

この願いと発達の実情に応じた園生活のありようを検討しております。例えば、新入園時が園生活に慣れずにいる時期には 、どうするか?

またその時期は、いつごろまでか?との予測をたて時期や目標、内容を検討する事です。

『月の計画とは』?

【期】数期に分けていると書きましたが、各期の目標を達成するために、具体的なねらいや、内容を設けて子どもたちの発達の様子や 遊びの様子、 季節感などを踏まえて環境の設定や準備物などを具体的に考え子どもたちが目標に向かって発達するようにしていくのが月の計画です。種を植え収穫を喜ぶ事も月の計画にそった活動です。

3.年間行事計画について

年間計画活動は、詳細に渡り先生方と話し決められていきました。
小さな川の流れが大きな流れとなる力を蓄える為、一年間園児も幼稚園の生活を楽しめるような大きな活動の流れを計画しております。 ◎私達の活動への思いは?
『ピカピカの思い出の宝石をひとつひとつ子どもたちと一緒にちいさなポケットにいっぱい詰込み、大人になって取りだしても光輝く宝 石のような思い出を、体験させたいと考えております』

どのような点に配慮しているか?

こどもたちの、負担にならないように行事の前や後の無理な活動は、なるべく入れないようにしています。
活動がスムーズに行えるように前準備も活動の一環としている。
(例) 誕生会は、長年の様子を自然に見ることにより(誕生会は、年長、中、少の順番迄考えている)やりたいという気持ちを育む。

園外散歩等活動をしながら遠足につながるように季節感のある活動を要所要所に配慮しています。
各学年のつながりを最も大事に考え活動を盛り込んでいます。
1~2年の経験を持つ年長さんを、園での活動の主役と考えています。

私たちの園では、常に何をしているか(オープン化した特性を活かし)子どもたちがそれぞれの活動が、わかるようになっています。
これも自分では、活動をしませんが見たり、聞いたりする事でやりたいやってみたいとの刺激になります。
その中で年長の役割が大切であり、年中、少の合同の誕生会等で面倒をみたり、クッキングで御馳走しながら人として必要な事が 培われていきます。

4.幼稚園での生活

幼稚園にお子さまを、入園させるときにお母様方にはいろいろと不安な事が多いことと存じます。「私の子どもは、友達とうまくやっていけるかしら?」
「現在の状態で園生活に馴染めるかしら?」などなど・・・沢山の問題があるかと思います。
そこで幼稚園に入園してからの子どもの様子や内面の発達を、時期を追ってまとめてあります。子どもが如何に幼稚園での生活を獲 得し満足していくか・・・ご理解頂けたら幸いです。

はじめに
子どもはみんな楽しんで幼稚園にきている、あるいは来るはずという認識を捨てるべきです。子どももおとなと同じように、いやそれ 以上に不安や葛藤を感じているに違いありません。 母親に甘え、何でも好きなようにしていた家庭を離れ、保護者なしに知らない集 団の中に入っていく事を思えば緊張しない方が 不思議であろう。

そこには家庭とは異なったルールがあり、時間や場所を規制されたり、新しい生活の仕方にとまどい、見知らぬ他児の存在に脅かされるなどストレスの材料は十分にあるのだから。

そうした困難を乗り越えていくのは、結局子ども自身です。

だからこそ乗り越えやすくするためのおとなの援助が必要であり、それを克服した時に初めて味わう充実感が楽しさの基盤ではないでしょうか。
はじめは恐ろしく思えた男の子と意気投合して親友になった時の嬉しさ。家庭では経験できないみんなでする活動のおもしろさなど、 子どもの成長に伴って幼稚園生活の楽しみも質が変化し、内容も深まっていくのです。

個々の子どもの感じる楽しさは、みな異なっているかもしれないが、大きくとらえると幼稚園生活を通していかにして自己実現をはかり、 自己充実をしていくかの過程が、子どもにとっての楽しさの実態であり保育者のかかわり方であると考えています。

発達のプロセス

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1.心の依りどこり見出す時期

まわりのものに興味や関心がもてるのは、自分の気持ちが安定している時です。母親のお迎えをひたすら待って、泣きたいのをがまんしている入園当初の三歳児には、まわりにどんな遊具があろうと、
とても遊ぶ気にはなれないものです。

しかし二、三日たって、必ずある時間がたてばお迎えが来る事がわかると、 安心して身近にある玩具を手にします。一日の見通しがたつようになってきました。しかし何といっても母親から離れて淋しい思いをしている三歳児にとって、 頼みの綱は担任保育者です。

自分の気持ちをわかってくれ優しく慰めてくれる担任保育者が母親のように思えて頼っていきます。

片手でも先生につかまっていると安心して他児の遊んでいる様子や、飼育しているうさぎを眺める余裕もできてきます。いつも見守っていてくれる、 困った時にはすぐに助けにきてくれる保育者の存在は大きいのです。

大好きな先生がいるから幼稚園に行くのが楽しみということになる。

また、初めてのところに来ると、何をしてよいかわからないという不安をもつ子どもは、自分の居場所がみつかると安心するものです。

カバンも帽子も持ったまま自分のシールのはってあるロッカーの前や椅子に座っている姿もよく見掛ける事があります。 それが特定の遊具であったり、ままごとコーナーであったりしますが、そこを拠りどころにして周りのものに目を向けはじめ、そのうち少しずつ動きだす 。

このように、はじめて幼稚園に入った子ども達は、保育者や特定の場所や物に心の拠りどころを見出し、そこを基点として幼稚園という新しい生活の場を観察し
「いろいろおもしろそうなものがあるな」 「ぼくもあの子がやっている遊びをしてみたい」
などと心が動きはじめるのだといえます。

2.やりたいことがやれるところ

○○君はミニカーを窓枠にそって走らせながらも、目はすぐ前の砂場に釘づけになっています。ホースで水を砂場に流し、はだしで、腕もまくり上げ、砂と水だらけになって山や川を作っている年長児の
姿を驚きと羨ましさのこもった目で見ている。

そこからは(ママは危ないからハダシになってはいけないっていうし、泥んこ遊びも汚れるからってすぐやめさせられちゃうのに、お兄ちゃんたちはいいのかなあ、 あっ、川が流れだした。すごいいいなあ、ぼくもやってみたい) という思いが伝わってきそうです。

そのうち、年長児たちが他の遊びに移っていくと、 ○○君はそろそろと靴をはき、砂場の中に入ってしゃがみ、川にそってミニカーを走らせる。

だんだん大胆になって水の中へ車を入れ

「センスイカンだぞ」

と いいながら腕を突込みパシャパシャ泥水をはねかして御満悦の様子。

いつの間にか靴も靴下も水びたしである。先生が「洗ってあげるからハダシになったら?帰るまでには乾くわよ」 とやさしく語りかけてくる。

○○君は、
(あれ?ママみたいに叱らない人だ、幼稚園じゃハダシで泥だらけになってもいいのかな) と思わず嬉しくなった。
安心して周りを見ると、植木鉢を片っ端から動かしてその下にいるだんご虫を集めてポケットに入れる子もいる。
すべり台の上からさかさ向きですべってみたり、ボールや砂までザザーッとすべらせたりしている。
他の子どもだちのダイナミックな遊び方に○○くんの目も輝き出す。

積み木を並べて道や橋を作ってみる。絵の具を紙いっぱいにベタベタとぬりたくる。三輪車をこぐ。 花がらを集めて色水を作る。鉄棒にぶらさがる。アスレチックの上まで登れた嬉しさ。
そこから見降ろす園庭の先生やお友達に、見てみて高いでしょうという気持ちをこめて

「オーイ」

と呼んでみる得意さ。

○○君は日に日に自分の生活圏がひろがり、経験がどんどん豊かになっていく実感をワクワクしながら 味わっているところです。
幼稚園には、今まで家庭では味わえなかった多種多様な遊びの世界があり、それを片っ端から試してみることも、 あるいは気に入ったことを好きなだけじっくり取り組む自由さもあることに気付いてきた。新鮮な喜びなのです。

園に慣れ、一応の生活の流れもわかってきた子どもたちは、それぞれ自分の興味のあることを見つけて動きはじめる時期を迎えた。
保育者は子どもの興味をひきそうな物を用意して、子どもが取り組む様子を見守りながら次の働きかけをさぐっていく。

(何があればいいと思っているのだろう)

(これを出してあげればもっとおもしろくなるかな?)

と、保育者もいろいろと思いをめぐらせる。

うまくいくこともあればまったく無視されることがあるのもおもしろい事です。

時には仲間に加わっていっしょに遊ぶことが必要な場合も、そこで何かをさりげなく作ったり、作り方を教えることで遊びが 一層活気づくこともあり友達と遊ぶ楽しさを知ります。

友達と遊ぶには、まず友達を見つけなければなりません。
子ども同士が出会い、親しくなるきっかけを作るのも保育者の大切な役割です。
幼稚園に入る前は近所の子どもと友達になったように、入園してからは同じ組の子ども同士が知り合う。
毎日輪になってみんなの顔が見えるように座って先生に名前を呼んでもらうと

(あ、ぼくと同じ名まえで一緒に返事しちゃった)

などという出来事でお互いニコニコしたり、 好意をもったりしながらお互いを覚えて行きます。

同じテーブルになると、テレビのアニメ番組など共通の話題がはずんだり、だれかがふざけてみせるとみんなが笑ってまねるなど、子どもはなかなか社交的です。

その他に名前あてゲームをしたり、みんなで知っている歌をうたう、絵本を読んでもらうなども親しくなる経験といえましょう。

次に、同じ興味をもった子どもたちが出会う場を考えてみましょう。ままごとコーナーは恰好の出会いの場所です。
たとえ知らない者同士でもそこで二人が出会うと、片方が「どうぞ」とお皿を差し出す。
すると、あとの一人がそれを受け取り食べるまねをして

「ごちそうさま」と返す。

そこからはごく自然に会話が生まれます。
また、三輪車を乗り回していると自ずとライダー仲間が生まれたり、
積木で宇宙船を作っていて隣の子と合体し

「もっと大きな基地にしよう」とがぜん建設がはかどる。

逆に、同じ積木を取り合ってけんかになることがあり、そうしたトラブルを経てお互いに分かり合い親しくなった友達と遊ぶ楽しさを味わうと、もう嫌がっていたのはうそのように、
休日さえ「なんだ、今日、幼稚園お休みか、つまんないの」ということになっていきます。

3.課題に取り組み成就感を味わう

△△子にとって、幼稚園ではときどき(おや、何をするのだろう)と思うことがある。 少し、彼女の気持ちを代弁してみよう。
はじめてフィンガーペインティングをしたときも、何だか気味悪いなと思って恐る恐る触ってみると、ぬるぬるして冷たいが意外に気持ちがよい。
みんなのまねをして指でかきまぜると、白い紙に指のあとがつく。ぐるぐる線を描いたり、指先でお魚や人の形を描いてみる。変だったらすぐ消せばいい。 おもしろくなって夢中でやっていたら

「もうおべんとうの時間よ」

と先生が呼びに来てくれた。泥ねんどをこねたときも、釘やかなづちを使って木工をしたときも、はじめはおっかなびっくりだったのが、だんだんおもしろくなってくる。

釘を打てるようになったし、
大分骨を折ったけれども鋸でいたをひくこともやってみた。
おとなでなければできないと思っていたのに。
この間はみんなでよもぎを摘みに行き、
次の日はよもぎ団子も作ったし、
ママと散歩したとき、
どれがよもぎかちゃんと教えてあげれた。
先のやわらかい葉っぱだけ摘む事も。

と、まあこんな風に、△△子は保育者が用意しているさまざまな活動に意欲的に取り組み、それを苦労しながらも自分のものにしていく達成感を味わうのが嬉しくてたまらないらしい。

家庭ではなかなか経験し難いことや、子どもたちだけでは用意できない活動を通して、新しい課題に挑戦するのも、幼稚園生活の大きな楽しみです。

4.クラスの一員として

幼稚園の大きな特徴は、子ども集団の中で生活することにあります。
入園当初は見知らぬ大勢の子どもたちに気おくれや脅威をかんじていたのに、その子たちは親しい仲間であり、特に仲良しの友達もでき、毎日園に行くのが嬉しくてたまらない。

砂場でダムを作ったり、 積木で大掛かりな基地作りができるし、 気のあった仲間と知恵や力を出し合って、 遊びをおもしろく発展させていく。
ドッチボール、サッカー、大なわとびなど、二、三人ではおもしろくないし、 誕生会や運動会の楽しさも、クラスのみんながいればこそです。

集団への帰属意識は、みんなと一緒に楽しさや充実感を味わう経験を積み重ねることによって育ちます。
その経験が自分の所属しているクラスや園への愛情と誇りを育てる栄養源になっています。
みんなが一つの家族のような意識をもてるようになると、 だれかが困っている時に無視できなくなってきます。

「○○ちゃんの椅子がない。持ってきてあげよう」

「先生、○○君おはし忘れたんだって」

という個人レベルの気配りから、積木を片付ける時も、

「僕が上に登って並べるから、長いのから持ってきて!」

「このマット重くて一人じゃ持てないよ、おーいだれかきてくれ」

と、みんなで協力する姿が随所に見られるようになります。
また、当番活動について考えてみると、お掃除や食卓の準備などをするのは、単に生活に必要な仕事の手順や方法を覚えるだけでなく、
みんなが気持ちよく生活していくために、 自分が役立っているという喜びがあるのです。

三歳児には、大好きな先生のお手伝いをすることが嬉しく、おとなと同じことをするのが誇らしく思えるのです。
みんなのためというより、自分が(こんなこともできるようになった)という満足が大きなウエイトを占めているように思います。

四歳児になると仕事の内容に興味をもつ。道具を使う。
お花や水やりやうさぎの餌やりを通して動植物に対する親しみや関心が呼び起こされます。
ものを配る場合も、配る行為を楽しんでいるうちに、みんなにゆきわたったかどうか、あといくつ足りないなどと数の 問題に気付いてきます。
この時点で作業と友達の関係を意識しはじめたといえます。
足りない子どもがいたら困るだろうという思いやりをもって、品物が全員に行き届いたかどうかに気を配るようになります。

年長児になると、自分の仕事を園全体の生活の流れの中に位置付け、やっていることの意味をまわりの生活に関連させながらとらえることができるようになってきます。
年少組が食事を始めたのが視野に入ると、もうそろそろ自分たちも食事の支度をしなければと思い、室内を片付けテーブルを出し、まだ外で遊んでいる友達に

「もうおべんとうだよ~」

と呼びかける子もいます。
年少児のしまい忘れた三輪車やボールを片付けに行く。つまり、園生活を進めていくのは自分たちだという自覚がいつの間にか育ってきているのです。

おわりに

このようにしてふり返ってみると母親から離れた心細さを保育者に頼ることで克服した子どもたちは、次第に周囲のものに心を開いていくのです。
今までは母親の手から与えられていたさまざまな経験を、自分から手を出していろいろと試み、失敗を重ねながらもやりとげた時の嬉しさ。
こうして自信を得、急速に自分の世界をひろげていったのです。

友達との出会いにしても、最初は物や場所の所有権を争う敵と感じられたかもしれない。
しかし、ぶつかり合い泣いたり泣かされたり、くやしがったり途方に暮れたりしながら、相手の気持ちが少しずつわかってきて、自分と同じようにこれを欲しがっているのだなと親近感を抱くようになります。

母親との付きあいは一方的に受け入れられるか、意のままに動かされるかであることが多いのです。
それに比べて対等の関係にある自分と異なった性格の子どもの存在は、大きな魅力を感じさせたに違いありません。
何とかしてこの子と仲良くなりたいと願い、近づく手段を考え、相手の意に添おうと努力もしています。
努力は見事に報いられ、子ども同士の楽しい世界へ入っていくようになったのです。

しかし一方では集団生活の窮屈さも経験したはずです。
家にいればおやつをねだったり、ちょっと外に出てみたり、好きな玩具をひとり占めしても許されたのに 園ではがまんすることを覚えていきます。
新しい遊びを存分に楽しむ代償として、自分の欲望をコントロールすることも学んだのです。 幼稚園生活の中での子どもの楽しさとは、
子どもが葛藤をくぐりぬけ、
問題を一つ一つ解決し、
より高度な喜びを獲得していくプロセス
そのものであることがおわかり頂けたでしょうか。